「ピンクタワー」

 

日常生活の中で、私たちは、様々な刺激を五感(官)を使って認知しています。
感覚器官で得た情報を神経が脳に伝達、脳がその意味を認識していきます。


周りにあるものを、とにかく舐めたり、触ってみたい、眺めていたい「感覚の敏感期前期」の皆さんには、飲み込んだり、危なくないように注意を払いながら、心おきなく、イメージをどんどん溜め込んでいってほしいものです。


生活の中で、子どもが静かに何かに取り組んでいる時は、感覚をいっぱい使って活動していることが多いですね。
水を出しっぱなしにして眺めているとか、大人から見れば、いたずらとしか思えないようなことでも(汗)

 

「感覚の敏感期後期」に入ると、この無意識に近い形でため込んだイメージを、意識して整理付けしようとします。
ミニカーをどんどん長く並べていったり、同じ形や色のおはじきばかりを集めたり、さらさらの砂を集めたり、石ころばかりを集めたり、水遊びや砂遊びしていて、暖かいところと冷たいところを何度も確認したり・・大変真剣に取り組んでいる姿に感動します。

 

モンテッソーリの活動の中に、「ピンクタワー(桃色の塔)」という感覚教具があります。(写真)
桃色の10個の木製の立方体で、1辺が1cmから10cmまで1cm単位で長くなっています。
大きさを比較し、順序付けていくことができます。

同じ活動でも、各年齢ごとに興味の持ち方が違います。


【ステッラコース】(0~2歳)のお友達は、まだ、10個を段階付けるのには、難しい年齢でもあるので、半分だけを比べられるように準備しています。
自分で持ってみて、「大きさ」を味わってくれています。

 

 

 

【フィオーレコース】(2~3歳)のお友達は、10個を比べるのが楽しいようです。
どんどん積んでいったり、横に並べたり、比べています。

 

【幼稚園児クラス】のお友達は、「ピンクタワー」と「茶色の階段」(太さを比べる活動)を組み合わせたバリエーションを楽しみました。

規則的に並べることに気がついたようです。
高くなるほど楽しく、緊張感も増し、注意深く積んでくれました。

 

感覚教育には、「感覚の洗練、考える方法の獲得、概念の形成を援ける」3つの目的があります。
何度も何度も経験しイメージを溜め込んだ後に、名称レッスンを行い、(ピンクタワーなら、大きい・小さい)感覚的なイメージが、概念へと整理付けされていきます。

 

このような事実から考えると、赤ちゃんのうちにいろいろなイメージをたくさん溜め込んで、引き出しを作っておく必要がありますね!