全身のバランスをとって、白線からはみ出さないように、ゆっくりと歩く「線上歩行の練習」をしています。
動物の中で、人間だけが「直立二足歩行」を確立でき、手を使えるようになりました。
その結果、精神、知能を発達させられたのです。
1歳前後から歩くことに一生懸命になりますが、モンテッソーリ教育では、子どもがバランスを獲得できるようにするため、「線上歩行の練習」を準備しています。
私たちは、大人と子どもの歩行の目的が違っているのをよくわかっておかねばなりませんね。
大人は、移動の手段として。
子どもは、歩行の機能を発達させるためで、「歩くこと」そのもの。
教室にお越しの1歳ごろのお友達を観察していると、マットの上で活動する時、片手で身体を支えて、もう片手を使って、物をつかんだり、落としたり、合わせたりしています。
もう少し大きくなったら、安定して両手を使えるようになります。
身体のバランスを取り、両手を使えることで、知能が発達するのがよくわかります。
また、歩きたい時期の子どもは、どんな手段を使っても、歩こうとしてくれます。
都合のよい高さの台を手押し車のように用いて「私って歩くの上手でしょ!」と言わんばかりに、どこまでも進んでいってくれます(笑)
教室のお友達は、この線の上を歩く活動が、大変興味深く、何度も歩きたいと、挑戦してくれています。
「フィオーレ入園準備お子様の自立をめざすコース」の2歳児のお友達は、先生と手をつないで歩く練習から始めています。
自信を持って歩けるようになったら、自分から手を離してくれます。
ゆっくり歩けるようになった子どもには、もう一段階難しさをプラス。
かかとと、つま先をぴったりと付けて歩いてみるように、やって見せます。
バランスが崩れそうになるのを体幹をしっかりとひきしめて、且つ、心を落ち着けて取り組まなければ、線上から、崩れてしまったり、早歩きしてしまったりと、難しい活動なのですね。
友達が歩いている時は、静かにして見ているという、約束をしています。
幼稚園児クラスの年少児のお友達も、バランスをとって歩けるようになったので、頭に輪を載せて落ちないように歩きました。
次は、静かなゆっくりのテンポの音楽に合わせて歩いたり、鈴を鳴らさないように持って歩いたり、水をこぼさないようにグラスを持って歩いたりします。
注意力、集中力、自己コントロールもあわせて養います。
子ども達がお散歩の時、線を見つけて歩きたくなるのは、こういった時期だからなのですね。
ご家庭でも、廊下にビニールテープなどで線を引いて、準備するのはいかがでしょうか。
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