藤井4段の集中力を育てたモンテッソーリ教育

息子の小さい頃、おじいちゃんによく遊んでもらった将棋
息子の小さい頃、おじいちゃんによく遊んでもらった将棋

29連勝を達成した藤井4段は史上最年少の中学2年生

6月26日(月)に藤井四段が竜王戦決勝トーナメント1回戦で勝ち、29連勝という新記録をつくりました。

中学2年という史上最年少の棋士で、デビュー戦から勝ち続けての達成ということで、本当に素晴らしいですね。
谷川浩司九段、羽生善治3冠に匹敵する才能!という声も聞かれます。

この3人に共通するのは、親が将棋をしていなかったことです。

できる親は、ついつい子供にハードな練習を望んでしまい、子供が意欲を失くしてしまうケースが多いようです。

子供のやりたいようにさせたことで将棋に対する意欲を伸ばした3人の親。

藤井四段の場合は、寄り添って見守り続けたお母さんの存在が大きかったようです。

 

 

藤井4段の家庭での様子

2002年7月19日に、愛知県瀬戸市で生まれた藤井四段。

お父さんは、住宅設備メーカーに勤務し、お母さんは専業主婦、4歳年上のお兄さんがいます。

名古屋大学教育学部付属中学で学び、数学や歴史、地理が好きで、運動も得意だとか。

50mを6秒8で走る俊足の持ち主です。

家では、ご家族の皆さんとよく話をされ、新聞もじっくりと最初から最後まで読みます。

小学校5年の時に、司馬遼太郎さんの「竜馬がゆく」全冊を読破するなど読書も好きで、いろいろな知識を豊富に持たれているようです。

5歳の時に祖母に買ってもらった、駒に動かし方が書いてある「スタディ将棋」を楽しんだことから祖父と将棋を指すようになったとのこと。

幼稚園の時から将棋を始めていたのですね。

 

相良先生コメントより
相良先生コメントより

集中力を養ったモンテッソーリ教育

藤井四段と対戦した皆さんが感じるのは「集中力が続く時間が長い」。

集中力の高いプロの棋士も驚く、並外れた集中力はどうやって培われたのでしょうか?


実は、藤井四段が通っていた地元瀬戸市の幼稚園は、モンテッソーリ教育を取り入れていました。

藤井四段が夢中になって取り組んだお仕事は、「ハートバッグ」。

これは、切れ目を入れた2つの画用紙を編んでつくる紙のバッグです。毎日、何個も幼稚園で作って「今日はこれだけつくってきたよ!」と嬉しそうに持って帰ってきてお母さんに渡します。

合わせると、100個以上は作って持って帰ってきたそうです。


日刊スポーツ6月27日のニュース「藤井四段の集中力育てた『モンテッソーリ教育』」に、モンテッソーリ教育の国内第一人者で恩師の相良敦子先生のコメントが掲載されていて、なるほどと大いに納得しました。

きっと画像のようなことをおっしゃったのだろうと思います。


藤井四段が熱中して作ったハートバッグ。

年中や年長児に取り組んでいただくのですが、すぐには作れません。

大人がしてみてもかなり難しいんです。(汗)

まず、紙を編む練習で慣れてから取り組みます。

これを1日で何個も作ったのですから、相当な集中力を発揮していたはずです。
また、毎日続けて、100個もつくっていく中で、集中力に加えて「やり抜く力」が培われたのではないかと思います。

 

モンテッソーリ活動の中で、お子様が同じお仕事(活動)をずっと続けると、「他のお仕事もいろいろしないと、能力が伸びないのではないか‥」心配されるお母様もいらっしゃいます。

お気持ちは本当によくわかるのですが、藤井四段を見ればわかるように大丈夫なんです。

大人から見ると同じようにしていることでも、お子様は1回1回の活動の中で、やり方を微妙に変えてみたり、工夫したりと、レベルをあげながら、活動の理解を深めているのです。

存分にやりきると満足して、他の活動を行います。

ひとつのお仕事を続けることで養われる「集中を継続する力」、「創意工夫する力」や「やり抜く力」はどんな活動にも必要な土台。

これらをしっかり身に付けて、藤井四段は将棋の世界に進み、切磋琢磨されたのでしょうね。

 

 

ハートバッグ作ってみました!
ハートバッグ作ってみました!

そこで、赤と桃色の画用紙を使って、ハートバッグを作ってみました。

大人でも結構難しいんですよ。。

 

紙と紙を織り込みながら編むのがポイントで、時間がかかるのですが、バッグ強度が出て、2色の色合いもきれいです。藤井四段は幼稚園の時に、この「ハートバッグ」を100個も作ったのですね‥素晴らしいです。


モンテッソーリ教育が広まっている海外では、オバマ米元大統領やクリントン夫妻、チェロリストのヨーヨーマさん、グーグルやアマゾン、フェイスブックのの創始者など多くの著名人がおられます。海外ほど普及していない日本ですが、最近、注目のきざしを感じていました。そうした中、藤井四段のようなモンテッソーリ教育を受けた方が活躍されるのは、嬉しくて元気が出ます。

教室に通うお子様は、週に1度という回数なのですが、3~6ヵ月でどのお子様もぐんぐん成長されます。また、お母様のお子様に対する接し方や姿勢、育児に対する前向きな考え方に感動を受けています。
わかりやすく、生活に活用できる「身近なモンテッソーリ教育」を皆さんにお届けできるように、私も藤井四段を見習って、「精進」していきたいと思います!!