6月3日(日)に東京・吉祥寺へ出張。モンテッソーリ教育0~3歳教師の資格をいただいた「モンテッソーリ・ラ・パーチェ」で年に1度開催されるブラッシュアップセミナーを受講してきました。ラ・パーチェを主催し、モンテッソーリ教育第一人者の百枝先生から欧米の幼児教育では非認知スキルが強く意識され、日本でも同じ動きのようです。また、モンテッソーリ教育の教具は、小学校での学習につながっていることも示していただきました。
注目される非認知能力
百枝先生から、欧米の幼児教育で非認知能力に力をいれているとのお話がありました。
勉強や仕事などに取り組む場合に必要な能力は次の二つがあります。
- 認知スキル:できる、できていないがテストなどで採点できる能力
- 非認知スキル:ねばりづよさ、集中力といった社会情動的スキル
「非認知能力」は聞きなれない言葉かもしれません。
重要性は理解されていたのですが、評価しづらく学習方法が明確でありませんでした。
- コンピューターやAIなどのソフトが発達し、複雑な計算や情報処理は機械がこなす
- グローバル化やネットワーク化で世の中が複雑化し、課題や問題が簡単に解決できない
といったことから、問題解決や学びの土台となる非認知能力が注目されています。
どの期間を重点的に教育すれば経済面で効率的かという本も出版され、幼児期に力を入れるのが最も効果があるようです。
欧米では経済的な視点からも幼児教育に力を入れているとのことでした。
欧米の流れを受けて、日本でも教育の方向性が大きく変わってきました。
2017年に日本の幼児教育・保育の基準となる「幼稚園教育要領」などが改定。
「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」が示され、非認知能力が強く意識されています。
百枝先生は、参考図書として次の2冊をあげられました。
機会を見つけて、じっくり読んでみたいと思います。
皆さんもいかがですか。
- 幼児教育の経済学(ジェームズ・J・ヘックマン著)
- 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿(無藤隆著)
家庭の役目
百枝先生は、幼児教育について指導・アドバイスをされる中で、食事について話をする機会があり、その時のお話も聞かせていただきました。
- 家庭の食事は、家族が食卓を囲んで食事をする場
- その中で、子どもの安心感や楽しさを育む場であってほしい
- 学校と違うのだから、少々、行儀や規律にこだわりすぎなくてよい
とのこと。
これに合わせて、学校教育と家庭教育の違いを次のように示されました。
家は、子どもが帰ってくる場所。
そして、心のよりどころなのですね。
暖かく、安心できる環境づくりの大切さをあらためて感じました。
関連した図書として次の2冊をあげられました。
- あなたは人生に感謝できますか(佐々木正美著)
- はじまりは愛着から(佐々木正美著)
著者の佐々木正美さんは、半世紀以上も子育ての現場に携わってこられた児童精神科医。
子どもの立場にたった育児の考え方やポイントがとても参考になりそうです。
さっそく、アマゾンで2冊注文しました!
子どもの「解った!」を援助し続けます
算数に関するモンテッソーリの教具について系統だてて説明いただきました。
- 赤い棒で、長短感覚の把握
- 数の棒で、数と数量の理解
- 金ビーズで、大きな数や掛け算などの複雑な計算
感覚の教具を踏まえて算数の教具があるのですね。
また、小学校で学ぶような複雑な計算も教具で視覚化しながら理解できるのは素晴らしいです。
目からウロコでした。
母の日、父の日、敬老の日、クリスマス、節分‥
ラ・パーチェ・子どもの家での行事を説明いただき、とても参考になりました。
モンテッソーリ教育では、
- 子どもに「自分で成長する力」が備わっている
ことを確信しています。
子どもの成長を育み、引き出すために、人や物の環境を整えながら、自主的な活動を促す中で、集中力、自尊心、粘り強さなどの非認知能力が自然に育ちます。
今回のブラッシュアップセミナーで、
- 世の中の幼児教育が、モンテッソーリ教育に寄り添ってきている!
このことが確信できました。
大学から学び実践してきたモンテッソーリ教育が広く受け入れられようとしていることに、感慨もひとしおでした。
- 子どもの生命(命の力)を開花させるように、環境を整え、支援してあげること
私たち大人の役目を、新たな気持ちで確認できました。
子どもが自分で発見して、
「解った!」
と感じられるような成長できる手助けを目標にして行きたいと思います。
いつも最後までお読みいただき、ありがとうざいました。