お子様に接する時に、「指導する」という気持ちを持ってしまいがち。
小さくても立派なひとりの人間。
ただ、十分に表現できないだけで、意志や感情をお持ちです。
接し方でお子様の反応はがらりと変わります。
お子様の自己肯定感と環境への信頼を育みながら成長を促す、接し方のポイントについてお伝えしたいと思います。
ラパーチェ・百枝先生の想い
0~3歳児モンテッソーリ教育トレーニングコースでご指導いただいたラパーチェの百枝先生。
先日届いた会報誌で、次のような内容の抱負が語られていました。
子育てや保育では、表情やまなざしがどれほど大切か、皆さんにお伝えしてきました。
子どもは、大人の表情に自分に対する評価を読み取ります。
怒った顔や不安な顔が多いと、「怒られている」「受け入れられていない」「今の自分ではだめ」という気持ちを持ってしまいます。
笑顔や穏やかな表情を絶やすことのない1年にしたいと思います。
「自分は自分のままでいいんだ」
「ここは落ち着ける場所」
自己肯定感や環境に対する安心感を持つと、楽しい気持ちで過ごすことができます。
「そうありたい」と思うことと「そうしている」ということの間にある悲しいほどの大きな壁。
その壁を乗り越えて、笑顔や穏やかな表情を持ち続けることを実践したいと思います。
本当に胸に深く響きました。
「どんな時も、笑顔と穏やかな表情でお友だちと接しよう」
レッスンでの自分の行動を振り返らずにはいられませんでした。
「笑顔と穏やかな表情」で受け止める
幼稚園児クラスです。
年少の男の子が、幾何立体のおしごとに取り組みました。
いろいろな立体の断面を確認して、断面を合わせます。
「これはバス」
「これはビルだよ」
自分でイメージをふくらませながら、自由に組み合わせます。
本来のおしごとの進め方とはずれているのですが、
- 断面をあわせる
- 比較する
というおしごとのポイントをしっかりとらえています。
形に強い興味を持って、自分で工夫して活動しているので
「すごいね!!」と共感すると、にっこりと素敵な笑顔を返してくれました。
教室に来られたときには少し疲れていた感じがあったのですが、笑顔になってからはリラックスしておしごとに取り組むことができました。
年少の女の子が新しいおしごとに取組みました。
やり方がわからなかったようです。
「どうしたらいいの?」
と質問がありました。
大人と話をするように受け答えをきちんと行いました。
「やってみますから、見てくださいね。まずこうして、次にこんな感じで‥どうですか。」
目をしっかり合わせて、うなずきました。
「あなたは私のことをきちんと理解して扱っているのね。」
彼女の眼差しがそう語っています。
こころとこころがしっかりとかみあった瞬間でした。
お子様の成長する姿に学ぶ
お子様は、成長につれて人間としての意識・自覚が強くなっていきます。
コミュニケーションも感覚的なところの柔らかなところから、知性がしっかり働いた識別・判断が加わったコミュニケーションに深まっていきます。
お子様の成長する力の素晴らしさをいつも感じることで、笑顔と穏やかな表情を持ち続けることができるのですね。
そして、教えるのではなく受け入れてもらうこと、信頼してもらうことがスタートなのだとあらためて感じました。
お友だちへ
わたしは、たまたまあなたより年上でこうした立場で指導させていただいています。
わたしは、あなたの成長する姿に学ばせてもらっています。
あなたの成長はわたしの成長です。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。