母子分離(2歳児)ビックリするほど成長

母子分離クラス(2歳児)で、子どもたちが自主的に活動を選んで行うモンテッソーリの活動を集中して行っています。
母子分離クラス(2歳児)活動の様子

幼稚園(3年保育)入園前の2才児が集まるフィオーレコース。

4月から母子分離を進め、夏ぐらいからお友だけで活動するようになります。自分だけで活動していくうちに、集中力や粘り強くやりとげる力が生まれ、成長し、秋にはびっくりするほど成長されます。母子分離をして、自立して活動を行うことで、初めて「成長のサイクル」を体験し、積み重ねていくのです。本当に素晴らしい成長ぶりです。

 

モンテッソーリの活動を充実させた時間割

4月からそれぞれのお子様のペースに合わせて母子分離を進め、夏の終わりまでにはお母様がいなくても大丈夫。

  • 10時~11時30分:モンテッソーリ活動
  • 11時30分~12時:リトミック
  • 12時~12時15分:トイレ、お弁当の準備
  • 12時15分~12時30分:お弁当
  • 12時30分~13時:お片付け、帰る支度

ひとりでしっかり活動ができるようになっています。

集中力が高まり、手の調整能力も発達してきたので、モンテソーリ活動の時間を90分と長くしています。

 

活動にぐんぐん集中

モンテッソーリ活動で、2才児が3種類の色付き円柱を立体的に組み合わせました。
自分で色付き円柱を組み合わせました

みんなが集中して活動した、先日のレッスンの様子を紹介したいと思います。

 

首飾りのお仕事を始めたお友だち。

短かく切ったストロー、穴の開いた飾りを交互に通しながら首飾りをつくる活動。

このお仕事が好きでよく取り組んできました。

ストローや飾りを上手にヒモに通すのですが、ぞれぞれを交互に通すことはしていませんでした。

「交互にしたらいいよ‥」

口から出そうになるたびにこらえて、ずっと様子を見てきました。

今日は‥交互に通しています!(拍手)

首飾りのお仕事で、自分の力で「秩序の感覚」を発見することができたのです。

素晴らしい‥

言わずにがまんしていて本当によかったです。

お友だちが自分で発見する力や嬉しさを味わう機会を奪ってしまうところでした。

 

次は円柱のお仕事を選びました。

4組の円柱について、並べ方を援助して、それぞれの円柱の秩序に合わせて並べました。

ニッコリしたお友だち。

自分で円柱を動かし始めました!

見守る中、それぞれの円柱を上手に組み合わせ始めました。

3組の円柱をきれいに組み合わせて、お仕事を終了。

高さがそろい、3色のパターンが変化する立体です。

「秩序の感覚」が成長しているのがよくわかりました。

素晴らしいです。

 

モンテッソーリの活動で、4色の色付き円柱をそれぞれに積み重ねて、塔を作りました。
色付き円柱を積み重ねて塔が完成

他のお仕事をしながら、円柱の活動を見ていたお友だち。

ぼくもやってみたい!

ということで、さきほどのお友だちのあとに、円柱の活動に取り組みました。

4組の円柱を重ねると色ごとに高さの異なるきれいな塔。

スゴイ!

今まで4組の円柱をまとめて使ったことがなかったのですが、いきなりです。

他のお友だちが行う様子を見て、

  • 自分にもできそう
  • 違った形でやってみよう

と感じたのでしょう。

お友だちの中で、吸収して自分で行う力が成長していたのですね。

 

90分の間、ひとつのお仕事にひたすら集中
90分の間、ひとつのお仕事にひたすら集中

教室に着てすぐにハサミで切るお仕事に取り組んでいるお友だち。

以前に60分間、このお仕事に集中して行ってビックリしたのですが、今日も集中しています。

止める気配がありません。

集中しています。

11時30分で、リトミックの時間になったので、

そろそろリトミックをしようね

と、お友だちに伝えました。

なんと、90分間、ハサミを切るお仕事を集中して行いました。

 

お友だちそれぞれが集中したレッスン。

本当に宝物のような時間でした。

 

初めて味わう成長のサイクル

モンテッソーリの活動で、2才児二人がパズルに夢中になっています。
二人が静かにパズルに集中

自分だけでモンテッソーリ活動やリトミック、お弁当の準備に後片付けを毎週積み重なる中、秋には次のような変化が現れてきます。

  • 自分で何とかしようと粘り強く活動に取り組む
  • 自分だけの力でできるようになり満足感を持つ
  • 自信を持って他のお仕事に取り組む

好循環が生まれ、お友達の集中力が加速度的に高まっていきます。

その結果、教室は次のような雰囲気になります。

  • 一人ひとりが活動を自主的に行い、活気で満たされる
  • 集中する時は黙々と、できたときや嬉しいときには声をあげるなど、メリハリのあるレッスン
  • 先生はお友だちが困ったときや次に何をしようか探しているときに援助するだけで、大人が教え込んだり、指示することがない。その必要がない。

全員が集中して、教室が静寂感に包まれる瞬間がよく訪れます。

幼稚園に行く前の2歳児のお友だちが、ひとりひとり、その静寂の中で集中して活動を行っている様子は感動を覚えます。

さなぎから蝶へ、かけがえのないヒトへと成長する時期なのですね。

 

「成長のサイクル」の積み重ねで発達・成長

モンテッソーリ教育では、自分で選び、繰り返し、集中して、自分で終える「成長のサイクル」に向けて、環境を整えています。
成長に大切な「成長のサイクル」

私たちが取り組んでいるモンテッソーリ教育は、世界に広まっている子どもの観察から生まれた幼児教育法で、次の考え方がポイントになります。

 

子どもは、自分の中に成長しようとする力を持っている

適切な時期に適切な環境が与えられると、自分で成長する

大人の役割は、子どもが成長しようとする力を引き出すこと

また、こういった子どもの特性をふまえた「成長のサイクル」を大切にしています。

  • 自由に活動を選ぶ
  • 繰り返して行う
  • 繰り返して行う中で集中が高まる
  • 達成感を持って自分の意思で終わる

このサイクルを繰り返すことで、子どもは正常な発達をとげていくのです。

 

今までお母様といっしょに過ごしていたお友だちが母子分離をしました。

自分だけで活動を行うことに最初はさびしく戸惑ったことでしょう。

慣れるうちに、自分だけでどうやって活動したらいいのかわかり、自信も生まれます。

お仕事をいろいろと選ぶ中で、好きなお仕事を見つけます。

どうするの、難しい、できそう、楽しい‥

「先生、できた!」

満足そうな笑顔と、この言葉を迎えます。

お子様が初めて味わう「成長のサイクル」。

 

幼稚園に入る前の自分で行動できるようになった2歳時の大切な時。

お子様の生涯のなかで、ピュアでかけがえのない時に立ち会わせていただき、本当に光栄です。

環境を整えて、一生懸命見守っていきたいと思います。