幼稚園児 十二支でひらがなにチャレンジ

幼稚園児クラスのモンテッソーリ活動で、正月にちなんで、十二支の由来について絵本を読んでもらい、みんなで楽しく学びました。
絵本で十二支の由来を学びました

季節にちなんだ活動として幼稚園児は正月に書き初めを毎年行っています。今年は、干支の「いのしし」にチャレンジ。書く準備として、干支に興味をもってもらおうと、十二支の由来の絵本を読みました。次に、ワークシートを使って、鉛筆で十二支の名前をひらがなで書く練習。また、漢字からひらがなが生まれたことがわかる数分の動画をプロジェクターで見てもらいました。「家でも干支のひらがなを書きたい!」と、みんなワークシートを持って帰りました。生徒からの依頼で初めての宿題!興味を持つことで、知りたい気持ちやが学ぶ力が生まれることがよくわかりました。

 

十二支の由来

モンテッソーリの活動で、十二支の由来について幼稚園児が絵本に聞きいっています。1月1日にかみさまのもとに駆けつけた順番で干支が決まりました。
1月1日に駆けつけた順で干支の動物が決まりました

生まれ年で使われる十二支ですが、昔は時間や方角にも使われ、生活にとても身近なものでした。

中国から入ってきましたが、日本で動物をあてるようになったらしいのです。

その由来がむかし話で楽しく伝えられています。

絵本で、お友だちに聞いていただきました。

 

昔、昔、かみさまが、12匹の動物を選んで、1年交代で動物の大将にしようと考えました。

どうやって動物を選ぼうか‥

こんな手紙を全国の動物たちに送ったのです。

「一月一日の朝、かみさまのところにきた者を順番に12匹、1年交代で動物の大将にします」

さあ、全国から動物たちが、一番になろうとかみさまのところに向かいました。

動物のなかでもめごとが起こります。

気楽なネコはいつ行けばいいのかネズミに聞くと

「一月二日の朝だよ」

とネズミ。ネコをだましてしまいました。

イヌとサルは、仲良くはしっていたのに途中で大喧嘩。

足が遅いからと早くから出発していたウシが一番にやってきました。

かみさまのところに入ろうとすると、ウシに乗っていたネズミがぴょんと飛び出して一番乗り。

ウシは二番目になってしまいました。

トラ、ウサギ、リュウと動物たちが到着し、12匹が決まりました。

次の日にニコニコやってきたネコは、1月1日だったことがわかって、びっくりするやら怒るやら。

それからネコはネズミを追い回すようになったとか。

 

楽しいお話ですね。

集まったお友だち、別のお仕事をしていたお友だちも手を止めて、集中して聞きました。

 

十二支でひらがなの練習

モンテッソーリ活動で、オリジナルのワークシートを使って、十二支の動物の名前をひらがなで書きました。
オリジナル教材の十二支ひらがなワークシート

十二支がイメージできたところで、ひらながの練習です。

それぞれの動物の名前をひらがなで薄く書いたワークシートを用意。

興味を持ったお友達は鉛筆でなぞって、ひらがなを練習しました。

2枚のワークシートに、12組の動物の名前を書きます。

年長のお友だちは、手の調整能力や握力がしっかりできているので、何枚も書きました。

 

漢字から生まれたひらがな

ひらがなの成り立ちがわかる動画をパソコンからプロジェクターにつないで、幼稚園児が見ています。とても興味が湧いたようです。
「おもしろい!」「知ってる!」動画をチェック

Youtubeで素敵な動画をみつけました。

(動画はコチラ)

書道家の方がひらがなの成り立ちを書いて示す「書動画」。

「安」→くずし文字→くずしもじ「あ」

と、実際に書いて、もとの漢字からひらがなが生まれた様子がよくわかります。

「あいうえお」の残りの部分はこんな漢字です。

「以」→「い」

「宇」→「う」

「衣」→「え」

「於」→「お」

 

PCとプロジェクターを使って、お友だちみんなに見てもらいました。

「おもしろい」

「このひらがな知ってる」

「かんたーん」

楽しく、集中して鑑賞。

 

公的な文書として初めて、「古今和歌集」にひらがなが登場。905年のことです。

成り立ちに歴史の重みを感じますね。

 

興味が引き出す「学ぶ力」

モンテッソーリの活動で、干支の人形と文字カードで名前合わせをして、ひらがなを学んでいます。
干支の人形と文字カードで名前合わせ

火曜日の幼稚園児クラスが終わる時のことです。

誰かが言いました。

「このワークシート、持って帰っていい?」

「おうちでしたいの。」

興味をもってくれたことにうれしくなりました。

「いいわよ。」

すると、他のお友だちが

「わたしも!」

「わたしも!」

みんな、ワークシートを持って帰りました。

金曜日も幼稚園児クラスも、みんな、ワークシートを持って帰りました。

頼まれて、宿題を出すなんて‥びっくりです。

 

絵本、動画の他、干支の人形も用意して、いろいろな形で干支を体感しました。

 

最近、「12歳までの好奇心の育て方で子どもの学力は決まる!」(獨協医科大学名誉教授・永井伸一氏)を読みました。

「幅広い経験が学力の基礎となる」そうなのです。

  • 小学校でいろいろ学んでも、実際に見たりしたことがなければイメージできないので、学んでも、定着せずにすぐに忘れてしまう
  • 実際に見たり触れたりしたものに関連したことは、思い出して興味を持って聞くことができる。自分の体験を重ねることができる学びが知識として定着。
  • 幼児期からペーパーで学ばせるのではなく、いろいろな体験をさせること。これらの体験が将来の学力や生きる力の基礎になる

とのことです。

いろいろな体験でいろいろなことに興味を持つことが本当に大事なのですね。

 

触れる、見る、興味を持つ、繰り返し体験する‥

モンテッソーリの教具の素晴らしさは、算数や言語などの抽象的な概念の理解について、形あるもので、手や視覚を使った体験として学んでいくことだと改めて気づきました。

いろいろな体験で子どもの興味や好奇心を育む環境を提供していきたいと思います。

 

しかし、子どもたちにせがまれて、宿題を渡したことにはびっくりしましたが。(笑)