お子様が1歳を迎えたお母様の言葉です。
「歩き出すようになって、あちこちうろうろするので目が離せなくて‥
言うことをきいてくれなくて大変です。」
お子様の急な変化に戸惑われているようですが、ご安心ください。
芽生えた意志の力で身体を動かすことができるようになっているのです。
お子様の心と身体が順調に発達している証拠です。
歩き始めたお子様を持つお母様の悩み
ピッコロコースの1歳を迎えたお友だち。
歩けるようになって、興味を持ったところに向かうなど活発に活動されています。
お母様は不安そうに話されました。
「今までは自分の目の届くところで動いていたし、離れた所に行きたがる場合は、だっこしてこちらが決めたところに連れて行ったので安心だったけれど、様子が変わってほんと大変で‥」
それを聞いて、1歳6ヵ月のお友達のお母様は、
「そうね。その時は私も大変だったわ~。」
その言葉を聞いて、ほっとされたようでした。
よい会話をされたなとうれしく思いました。
歩き出すころになると、行動範囲も広がり、自分の意志もはっきりしてきて、言うことを聞かなくなったとビックリされることが多いようです。
「イヤイヤ期」が始まった!とマイナスイメージを持たれがちです。
お子様の変化をどう理解し、受けとめるかが大切。
お子様にはしっかりと意志があり、成長しているのです。
身体が動くようになって、その意思が行動に表れたのです
お子様の素直な成長を喜び、見守ってあげてほしいと思います。
幼年期の発達の特徴
幼児の発達について理解しておくことで、お子様の変化を安心して受け止めることができます。
マリア・モンテッソーリは、幼年期の発達を
・0歳~3歳:幼年前期
・3歳~6歳:幼年後期
の二つに分けて考えました。
幼年前期は吸収する精神が最も旺盛な時期。
身の回りのことを吸い取るように学んでいきますが、
まだ無意識に発達しています。
幼年後期は、吸収する力はありますが、幼年前期ほどではありません。
この年代になると意識が芽生え始め、小学校に上がる6歳になると確実に意識を持って生活するようになります。
生まれたばかりの子どもは無意識の力で学びますが、自立に向けて意識も一生懸命に成長しているのです。
そして、意識に対応して身体も動かすことができるようになったのです。
お母様から見ると、お子様が勝手に動いているように見えるかもしれませんが、意識と身体が順調に成長していることをご理解いただきたいと思います。
発達で最も大事な幼年期
モンテッソーリは発達を
- 0歳~6歳:幼年期(変容期)
- 6歳~12歳:児童期(安定期)
- 12歳~18歳:思春期(変容期)
- 18歳~24歳:青年期(安定期)
の4段階に分けています。
人は、0歳から24歳ぐらいまで長い時間をかけて発達。
24歳ぐらいになって、物の好みや志向が安定し、成人として自立すると考えました。
0歳から24歳という長い時間をかけて発達していくのですが、
スタートの幼年期(0歳~6歳)が、今後の発達の土台となり、人生の方向を決める大変重要な時期です。
日々の育児は本当に大変かと思います。
私も2人の子どもを育てましたが、小さいころの育児が体力的にもとてもつらく、心が折れることもたくさんありました。
でも振り返ってみると、その時の自分が一番幸せだったなと思います。
ぐんぐん成長する子どもと一番深く関わることができました。
その頃のことは、心に深く刻まれ大切な宝物になっています。
どうぞ、発達の中で一番大切なお子様の幼年期を大切にして過ごしていただくこととともに、お母様にも、人生で素晴らしい、かけがえのない時を過ごしていただきたいと思います!
そのような時間のご提供ができるよう、これからも努めて参ります!!