8月は、各曜日の午前・午後クラスが合同で夏祭りを開催して、遊びに歌、和太鼓、盆踊りを体験いただきましたが、和太鼓体験や歌が好評でした。
短い時間の体験でしたが、家に帰ってからも太鼓や笛を鳴らすポーズをしたり、歌を歌うなど、お子様の吸収する力にびっくり。
2歳のときに母子分離コースに通っていたお友だちが、1年半ぶりに教室に来てくれました。幼稚園児クラスで活動を行いましたが、個別活動やリトミックに楽しく取り組み、2歳のときに教室で学んだことがしっかり定着している様子に感激しました。
0歳から3歳までの幼児前期の特徴は、「吸収精神」と「運動」。
お子様の成長に、豊かな環境の提供がお子様の成長に本当に大切だとあらためて感じました。
夏祭りの豊かな体験
夏祭りを終えて、翌週は通常のレッスンです。
お母様から素敵な感想をいただきました。
お子様(1歳5ヶ月)
太鼓がとても気に入ったようです。家に帰ってからも、両手を振って、ドンドンドン!と太鼓をたたく動作をして、楽しんでいます。
お子様(1歳7ヶ月)
家で何かを探している様子で、そっと見守っていました。
長い棒を見つけると、両手に持って、うれしそうに体を動かし始め…
あっ、わかりました。
夏祭りで和太鼓といっしょに鳴らしていただいた篠笛を鳴らす気分で楽しんでいるんですね。
笛に強く興味を持ったようです。
お子様(2歳)
歌と篠笛、ピアノで楽しんだ「ほたるこい」がとても気に入って、家でいっしょに歌っています。
寝るときにせがまれて、「ほたるこい」を歌うと、30秒で寝てしまうんです。
寝かせつけるのが本当に楽で、びっくりしました。
夏祭りでは、手遊びや歌、和太鼓体験、盆踊りを30分間行いました。
短い時間の中で、あっというまにそのときの様子や雰囲気を吸収することができるのですね。
お子様のご家庭での様子を想像して、心が明るく楽しくなりました。
そして、お子様の吸収する力の凄さをあらためて感じました。
2歳のときの活動がしっかり定着
2年前に、2歳児母子分離コースに通っていたお友だちが教室に顔を出してくれました。
年中さんになり、元気に幼稚園に通っているとのこと。
家でお母様がいろいろと勉強の指導を熱心にされているとのことですが、親子の間では、指導をしても言うことをきてくれないなど、難しいところがあると感じられているようです。
幼稚園児クラスでどのような活動をしているか気にもなっているようでしたので、体験でご参加いただきました。
久しぶりに会いましたが、昔の面影を残しながらも頼もしく成長された姿にびっくり。
個別活動では、はじめに縫いさしに取り組んでいただきました。
先生の説明をしっかり聞くと、紙に穴を開け、針で順番に縫いさしを行っていきます。
集中して、きちんと取り組む姿に感心しました。
車をねじで組み立てる活動も行いました。
初めてですが、試行錯誤しながら最後まで組み立てることができました。
後半のリトミックでは、みんなの中にごく自然に入って活動。
動作も本当にスムーズです。
2歳児の時にレッスンで経験し、蓄えたことが、成長に合わせて、見事に洗練・発達。
本当に素晴らしいです。
3歳までの経験が、とても大切だということを確認することができました。
幼児前期(0歳~3歳)の特徴
お子様の成長に正しく関わるためには、その時期の子供が何を必要としていて、何に興味や関心を持ったり、どんなことに心を動かされるのかを理解しておくことが大切です。
幼児期は、0歳から3歳までの幼児前期と、3歳から6歳までの幼児後期に大きく分けられます。
幼児前期のお子様の大きな特徴は、次の2つです。
- 吸収精神
- 運動
この時期は、自分の意志に関わらず、まわりの環境から、いろいろな情報や印象を、積極的に取り入れていきます。
こうした能動的で特殊な精神形態を、モンテッソーリは「吸収精神」と呼びました。
あらゆる文化の要素をこの3年間で吸収すると言われています。
大人だったら何十年もかかるほどの量をたった3年間で吸収してしまうのですから、本当にびっくりします。
言葉を話すことができるようになるのは、この吸収精神のおかげです。
1歳を過ぎたころから、持ったりつかんだりと手の運動が活発になります。
よく手を使うことで、自分で手の能力を発達させているのですが、それだけではありません。
触れる、持つ、落とす、投げる、押す、引くといった手の運動が吸収精神を活発化させます。
視覚や聴覚に手の運動が加わることで、環境に積極的に関わりながらぐんぐん吸収していくのです。
幼児前期(0歳~3歳)で大切にしたいこと
吸収精神と運動が自由に発揮できるようにするために、次のことが大切になります。
- ひとつの所にじっと寝かせておいたりするのではなく、なるべく多くのものに取り囲まれて、たくさんの刺激に接すること
- 周囲で、大人が美しい言葉と豊かな表現で話をしている場所にいること
- 何でも触りたがる子どもの傾向を、「ダメ!」ととめられたり、「してはいけません!」と禁止されないこと
3歳から6歳の幼児後期では、無意識の吸収精神で取り入れたものを、意識的に理解する中で、人生の基礎となる考え方や感情などを培っていきます。
幼児前期に吸収された情報や印象は、無意識の宝庫。
豊かな環境と自由な活動が、将来の知識や人格の土台を築きます。
ベビーカーの中の哲学者
モンテッソーリ教育の普及に大きく貢献した教育家のスタンディングさんは、赤ちゃんを哲学者と呼びました。
子どもは、話すことができるようになる前から哲学者。
子どもは、歩き出すようになる前から探検家。
開かれた心の一部のような赤ちゃんの手が、触れるものすべてをつかもうとする。
ベビーカーのベルト、カバー、ティッシュ、お母様のハンドバッグ …
手に触れるものがあれば、それをつかむと、
手触りやや見た感じをを確認
ひっくり返して確認
口にいれてしゃぶって確認
やぶることができるかどうか確認
やぶれるものは細かくちぎってしまう
無心に集中して活動するひたむきな表情は消えることはない。
赤ちゃんが起きている間は、どの瞬間も無駄なく有効に使われている。
赤ちゃんにとって、どの瞬間も本当に大切な時。
本当にそのとおりですね。
無邪気に活動しているように見えますが、まわりにあるいろいろなものを不思議に思い、休むひまなく、懸命に探求し、世界を理解しょうとしているのだと思います。
幼児前期では、いい悪いにかかわらず、無意識にまわりにある環境の情報をどんどん吸収します。
お子様の豊かな成長・発達に向けて、豊かな環境を提供できるように日々配慮していきたいと思います。