どのお子様も宝物を持っている

幼児教室バンビーニクレアーレ・モンテッソーリの活動で、2歳児の生徒が絵本「オニのパンツ」を楽しんでいます。
絵本「オニのパンツ」を読む2歳児のお友だち

体験会に来られるお母様は、落ち着きがない、言うことを聞かないといった育児の悩みをお持ちです。

「子どもには成長しようとする力があり、子どもの行動はすべて意味がある。」

そう考えて、お子様を見守ると、お子様は伸び伸びと成長されます。

 

お母様の悩み

2月13日(火)に未就園児コース向けに体験会を開催。

幼稚園児クラスでも、通常のレッスンにご体験いただきました。

日頃の子育てでお悩みのことを理解してアドバイスやお子様への接し方にいかそうと、アンケートをお願いしていますが、

  • 落ち着きがなく、いろいろなことに集中できない
  • 自分の思い通りにならないと怒ったり泣いたりする
  • 注意しても言うことを聞かない

といったお悩みを持たれ、お子様の成長や育児に不安をもたれているようです。

 

 

恩師・相良先生のご体験

モンテッソーリの活動では、生き物に接することも大切な活動と捉えています。
草をおいしそうに食べる子ヤギ

 

大学時代に指導いただいたモンテッソーリ教育の第一人者、故相良先生。

モンテッソーリ教育についてたくさんの本を出版されましたが、その中のエピソードがとても印象に残っています。

 

相良先生は、モンテッソーリ教育を取り入れた幼稚園を2週間ほど見学されていました。

その中で、年少の男の子の行動がとても気になりました。

ヤギをかっていたその幼稚園。

男の子は、ヤギのエサを取ります。

ヤギの小屋に移動して、ヤギにエサを与えます。

ヤギの食べる様子をじっと見ます。

小屋から離れずに、1日中ヤギを見続けます。

毎日、毎日、ヤギにエサを与えるお仕事しかしませんでした。

相良先生もさすがに不安におもったのでしょうか、園長先生に尋ねました。

「この子、だいじょうぶかしら。」

「大丈夫ですよ。もちろん。」

と、園長先生は、ニコニコしながら答えました。

 

それから2年後、相良先生はその幼稚園を訪れる機会がありました。

クラスの様子を見ると、年長の男の子が、千ケタの数字のお仕事にしっかり取り組んでいます。

横にいた園長先生がにっこりと相良先生におっしゃいます。

「相良先生が心配していた、あの子ですよ。」

相良先生は、本当にびっくりされたそうです。

 

 

さまざまな形で現れるお子様の力

 

モンテッソーリの活動で、お子様が今の自分に必要なお仕事を選んで、取り組むと

  • 集中して取り組む
  • あきらめずにねばり強く取り組む
  • 繰り返す中で、コツを覚えてできるようになる

といった、感動的な取り組みをされます。

でも、そういったことばかりでもありません。

  • 集中できずに他のお仕事にすぐ替える
  • 他のお子様の様子に気を取られる
  • うろうろ歩いたりしてお仕事をしない

こういった状態もあるものです。

お子様にこういった状態が続くと、適切なお仕事を進めてみたり、声がけや援助を行います。

そういった状態でも、実は、お子様の持つ成長の力は活発に動いています。

お仕事のワクを超えた創造的な力があふれています。

 

感覚教具でエレベーター

モンテッソーリの活動で、幼稚園児クラスのお友だちが感覚教具を使って、独創的なエレベーターを組み立てました
感覚教具でエレベーターを組み立てました

 

年少の男の子、感覚教具の色つき円柱を4つ、じゅうたんの上に広げます。

そして、箱を積み上げ、中に円柱を自由に並べました。

色や形のバランスが素適な立体ができあがりました。

「これは何ですか」

と聞くと、

「エレベーター」

と、にっこり笑って答えてくれました。

 

以前、提示による方法を紹介していますが、触れて馴染み、工夫して自分の創造力を駆使して行こうと試みている時なのでしょうね。

試行錯誤、素晴らしいと思います!

 

特殊な反射を発見

グランドピアノの側面は独特な曲面を持っています。
グランドピアノの独特なカーブ

年中の男の子が、グランドピアノの前に立ってさかんに見ています。

 

「見て、見て、顔が二つになったり三つになったりするよ。」

「ほんとだね。」

「なんでだろう?」

「なんでかな。」

「あ、顔が消えたよ。」

「ほんとだ。すごいね。」

 

グランドピアノ側面の湾曲部分が、特殊な反射をすることを発見したのです。

そして、そのおもしろさを「三人忍者」とネーミングしてくれました!

素晴らしいですね!!

 

リトミックでオリジナルダンス

リトミックで、1歳児の生徒が、ピアノに合わせて独自の動きでダンスをしています。
即興で独自のダンスを披露

ステッラコースのリトミックの活動で、オニのパンツを歌って踊っているときのことです。

みんなの前でピアノに合わせて振付の手本を示していると、1歳児の男の子が、さっそうと前に飛び出してきました。

そして、オリジナルのダンスを繰り広げはじめました。

ピアノに合わせて弾むダンスは、こちらの用意した振付ともぴったり合っています。

リズムに合わせ、アクセントのきいた体の動きに脱帽・・

見事なコラボレーション!

まるで、ステージのようです。

いきいきとしたダンスが曲の最後まで続き、感動しました!!

 

こちらの用意した活動やお仕事の手順に無理に当てはめる必要はないのですね。

お子様のいのちは、成長しようとする力を持っています。

お子様の活動は、成長にすべてつながっています。

そう思うと、お子様のひとつひとつの行動が輝きはじめます。

「心を寄り添わせて見守ることが、環境づくりの土台」

あらためて感じました。

 

お友だち。

ありがとうございます。

また、学ばせていただきました。