
きちんと座る、頭をしっかりと支えて立つなど良い姿勢を保つためには体幹(胴体部分)が安定していることが大事です。
手や脚もきちんと支えられて、活動もしっかりできるようになります。
外遊びやよく歩くことで体幹は鍛えられますが、気候や周囲の状況などで外での充実したお子様の活動がしにくい環境。
そこで、1歳児(親子コース)でクマ歩き、2歳児(母子分離コース)で線上歩行を行って、体幹トレーニングに取り組みました。
幼稚園児クラスでは、線上遊戯の活動を行って、体幹の洗練を目指しました。
ご家庭でも工夫して体幹トレーニングや身体運動に取り組んでみてはいかがでしょうか。
姿勢や運動のベースは体幹

身体の発達につれて、歩行をはじめとする身体運動や手の活動がいろいろとできるようになりますが
- イスにきちんと座れない
- イスに長く座っていると体が崩れてくる
- 机に向かって活動しているときに体が傾いてくる
- 背筋が伸びていない
など、気がかりな点も見受けられます。
原因は、
- 体幹が十分に発達していないこと
体幹は骨盤や背骨、肋骨で構成される胴体部分を指します。
腹筋や背筋など姿勢に関係する筋肉がたくさんあり、これらの発達で安定した姿勢や姿勢の保持ができるようになります。
また、体幹がしっかりと固定されることで、手足がいきいきと動くようになり、手の調整能力もぐんとアップします。
- 体幹の筋力を発達させる
- 体幹筋の調整能力を発達させる
ことで、体幹は発達します。
モンテッソーリの個別活動では手の調整能力、リトミックでは身体能力を使いますが、両方のベースになるのが体幹。
レッスンで、体幹トレーニングに取り組みました。
1歳児(ステッラ親子コース) クマ歩き

クマさんのまねをして、手と足で歩くのがクマ歩きです。
- 四つ這いになる
- 膝をつかずに手と足を伸ばしてお尻を上げる
- 顔を前にあげて手と足で進む
効果は
- 体を支えることで腕の力がつく
- 体幹(足腰)が鍛えられる
- バランス感覚が鍛えられる
歩行ができるステッラコース(親子クラス1歳児)のお友だちに取り組んでいただきました。
膝をつけずに足を伸ばしてお尻をあげるのが大変ですが、みんな一生懸命取り組みました。
ご家庭でもできるようにとお母様もいっしょにクマ歩き。
かわいい子グマにお母さんクマが教室の中を楽しく歩きました。
2歳児(母子分離フィオーレコース) 線上歩行

身体が発達し、モンテッソーリの活動やリトミックがひとりでできるようになったお友だちは、楕円形状の白い線の上を歩く線上歩行に取り組みました。
モンテッソーリの活動の中で、身体運動に関する数少ない活動です。
- 右足のつま先に左足のかかとをつけ、静かにおろす
- 左足のつま先に右足のかかとをつけ、静かにおろす
- 交互に同じ動きを繰り返して進む
- 両手を自然に横におろし、目はまっすぐに前を見る
- つま先とかかとは触れて、線の上をはずれないようにする
- ゆっくり、一歩一歩ふみしめてバランスをとりながら歩行する。
線上で両足のつま先とかかとを触れさせて進むと、バランスが崩れそうになります。
バランスをとって進む中で、歩行機能の平衡感覚を養うことがこの活動の目的ですが、体幹筋の調整能力のトレーニングにもなり、体幹の発達を促します。
順番にお友達が進みます。
かかととつま先を合わせるのが大変です。
進むうちに線からはずれてしまいます。
集中して少しずつ進みます。
気が走って、かかととつま先を合わせずにさっさと歩くお友だちもいます。
姿勢よくきれいに歩くことができるようになるのは本当に素敵なことです。
他の所作も美しくなり、落ち着いた動きが身につきます。
バランス感覚がしっかり定着するように、線上歩行を継続していきたいと思います。
幼稚園児クラス 線上遊戯

幼稚園児クラスのお友だちは線上歩行がしっかりできるので、線上歩行を発展させた線上遊戯に取り組みました。
- バランスが崩れたら、傾いたり、鳴ったり、落ちたりするものを選んで持ったり、頭にのせる
- 線上歩行と同じやり方で歩く
用意したのは
- 金属製の鈴‥バランスが崩れると音が鳴る
- 竹籠製の鈴‥バランスが崩れると音が鳴る
- 頭にのせる輪‥バランスが崩れると落ちる
好きなものを選んで歩きます。
音が鳴ったり輪が落ちることで、バランスの崩れがすぐわかります。
集中して静かに歩きます。
「音が鳴っちゃった」
「輪が落ちなかったよ」
出来栄えを自分で評価します。
「もう1度やる」
「わたしも」
バランス感覚と合わせて、集中力や意志も育まれるのですね。
何周も歩いているうちに、心も落ち着いたようです。
教室は静けさに包まれました。
水の入ったグラスなど持つものをいろいろ用意して、活動を続けたいと思います。
身体をしっかり使うことで体幹が鍛えられ、手や足をのびのびと動かすことができます。
自分の活動範囲が広がることで、意欲や集中力が生まれます。
幼児期は「運動の敏感期」の真っただ中。
身体をうごかすことで、お子様は満足し、充実した気持ちになります。
- 外遊び
- 歩く
ことが運動を発達させる基本。
事故やケガなどを考えると、外遊びを避けたり、ベビーカーに乗せてしまいがちですが、工夫をしてお子様が身体を動かす機会を増やしていきたいものですね。