夏が近づき、お友だちが大好きな水の季節。
さわると冷たくて気持ちがいいので、水を使った活動が人気急上昇中です。
日常生活の中で、手を洗ったり食器を洗うなど、毎日必ず水を使います。
水を入れる、注ぐ、濡れたところを拭く、手を洗う、手を拭く
など、水に関わる活動が、身につくように、モンテッソーリの個別活動で、さまざまな水を使ったお仕事を提供しています。
手を洗う活動
日常生活では、毎日、何度も手を洗います。
自分できちんと手を洗うことができるように、1歳児から、手を洗う活動に取り組んでいただいています。
- ピッチャー、ボール、石鹸など、道具の名称を確認する
- 空のピッチャーを水の入ったタンクまで運ぶ
- タンクの蛇口をあけて,ピッチャーに上まで水をいれる
- 蛇口をしめて、水の入ったピッチャーをお仕事のテーブルまで運ぶ
- ボールにゆっくりと水をいれる
- 両手をボールの水に入れて、しっかり濡らす
- 石鹸をとり、手のひらにつける
- 両手の手のひらを、つけた石鹸でこする
- 手の甲も、交互にこする
- ボールに両手をつけて石鹸のあわや汚れを落とす
- ボールの上で両手を合わせて下に向け、水をきる
- 水が落ちなくなったら、タオルで手をふく
- ボールの水をバケツに捨てる
- 次の人のために、ボールを手袋のふきんでふく
手を洗うために、いろいろな動作が組み合わさっています。
未就園児・親子クラス(0~2歳)では、小さなお友だちが自分のペースで活動ができるように、水を替えて手をゆすぐ動作を省略しています。
手の力や調整能力が発達し、ポットを持って歩くことができるようになった1歳児から、活動に取り組んでいます。
興味を引くポイントは、まず、ポットの蛇口から水が出て、ピッチャーに入るところ。
じっと見て、蛇口をしめ忘れたりします。
ポットを運んで、ボールに入れるところも楽しいですね。
そして、ボールに手をひたすところ。
手をつけたまましばらく静止状態です。
ひんやりとした水の感触が、なんともいえず気持ちいいのでしょうね。
「家で、毎日、30分は続けて水道の蛇口をあけています。」
「水道代がけっこう大変なんですが‥」
と話される1歳児のお母様にびっくりしました。
お子様の興味や関心事に寄り添われている姿勢に本当に感心しました。
生花(いけばな)の活動
水を注いだ花瓶に好きな花を生けて、お仕事の机などに飾り、環境を整える活動です。
- 1歳児でも花をつまんでさすことができるようであれば、お母様に援助いただきながら、取り組んでいただいています。
- ピッチャー、花瓶、じょうご、花瓶敷など道具の名前を確認する
- タンクからピッチャーに水を入れる
- 好きな花瓶を選ぶ
- 水がこぼれないように花瓶の口にじょうごをあてて、水を注ぐ
- じょうごをとって、好きな花を生ける
- 生けおわったら、選んだ花瓶敷と花瓶を持って、飾りたい場所まで運ぶ
- 敷物の上に花瓶を置く
机にきれいな花が飾られると、お友だちがお仕事をする環境が美しく整えられて、気持ちがよくなります。
環境やお友だちへの気づかいも学びます。
母子分離・未就園児クラス(2歳児)のお友だちはこの活動が大好きです。
こぼさないようにじょうごを使って慎重に花瓶に水をいれてから、好きな花をじっくり選びます。
- 集中した一連の動作
- 飾った後の満足そうな笑顔
本当に素晴らしいです。
手を洗う活動の提示
基本になる手を洗う活動を、お友だちやお母様に提示しました。
- 活動をわかりやすく分解
- それぞれの活動を大人の早さの8倍でしてみせる
- 見ることに集中できるように動作をしているときは言葉を入れない
こうすることで、お子様が集中して確認できます。
特に心がけたい動作は、手を合わせて、手の先を下に向けてしっかり水をきるところ。
水をしっかりきると、水が飛ばずにまわりに迷惑をかけません。
「わー、それはできていませんでした。」
と、未就園児・親子クラスのお母様。
きちんと理解いただいたのですね。
ありがとうございます。
むだのない正確な動きは、見ていて気持ちがよくなります。
まわりに配慮した動きが加わると、品位を感じます。
スポンジのようにぐんぐん吸収する幼児期に覚えた動作は、一生身につきます。
- 洗練された所作で、自分に自信
- 品位のある身のこなしで、相手に好印象
日常生活の中でそういったことを頭に置きながら、お子様をご援助いただければと思います。