
12月に入り、年末に向けて少しずつ慌ただしい空気が流れ始めました。
行事や予定が増え、大人も子どもも生活のリズムが変わりやすい時期です。
「なかなか準備が進まない」
「言っても動いてくれない」
「つい急がせてしまう」
そんな場面が増えるこの時期こそ、
幼児期にとても大切な“待つ”という関わり
について、あらためて考えてみたいと思います。
「待つ」とは、何もしないことではありません
モンテッソーリ教育で大切にされている「待つ」という姿勢は、
決して放任でも、見て見ぬふりでもありません。
子どもが自分で動き出す「時間」を信頼し、その過程を尊重すること。
それが、モンテッソーリ教育でいう「待つ」です。
教室での具体例⓵ 入室までの時間も、大切な活動

バンビーニクレアーレの母子分離2歳児クラス、幼稚園児クラスでは、入室の前から「待つ」関わりが始まっています。
教室に来た子どもは、
- 靴を脱ぐ
- 手を洗う
- 送ってきてくれた保護者とバイバイをして入室
- 上着を脱いでたたむなど身支度をする
という流れを、自分のペースで行います。
保護者の方は、急かすことなく、じっと見守ります。
必要に応じて、
「手を洗おうね」
「ハンカチはどこかな?」
と、確認の声かけをする程度です。
準備が整ったら、子どもを教室の中に送り出します。
ここで大切にしているのは、早く終わらせること”ではなく、自分で整えること。
母子分離クラスの保護者の皆さんは、
親子クラスから通われていたり、モンテッソーリ教育に理解のある方が多く、
この時間をとても丁寧に見守ってくださっています。
いつも私たちも感心させられます。
教室での具体例② 準備そのものが学び

入室した子どもは、次の流れに進みます。
- 自分の机を決めて荷物を置く
- 自分のファイルを取り出す
- 所定の場所で出席シールを貼る
- 席に戻り、ファイルをかばんにしまう
- したい活動を探しに行く
この一連の流れも、すべて子どもが主体です。
更衣や準備の場面では、講師はじっと見守ります。
順番が違っているときは、
「シールが先ね」
などと短く伝えるだけ。
活動がなかなか見つからないときには、
「今日は、何がしたいかな?」
「この前は、こんなお仕事していたね。もう一度する?」
と、選択肢を示しながら促します。
決して急がせることはありません。
活動を始めるまでに10分かかることもあります。
けれど、この「準備の時間」こそが、
集中力・自己調整力・秩序感を育てる大切な活動なのです。
子どもは「先にされる」ことが苦手です

子どもは本来、「自分でやりたい」存在です。
幼稚園児クラスになると、その意志をはっきり言葉で示すようになります。
たとえば、出席シールを貼る位置を指で示すと、
「しないで。そこに貼ろうと思っているから」
と伝えてくれることがあります。
また、活動中にやりにくそうにしているため、手伝おうとすると、そっと手で止められることもあります。
これは反抗ではありません。
「自分でやる力が育っている証」です。
「助けて」と言われるまで待つ
子どもが本当に困ったときには、必ず 「助けて」とサインを出します。
その時までは、待つことを心がけています。
この姿勢があるからこそ、子どもは
- 自分で考えてみよう
- もう一度やってみよう
と挑戦できます。
そして、「必要なときには助けてもらえる」という 講師への信頼感・安心感 が育っていきます。
「時間を信頼する」ということ
「待つ」という関わりの本質は、子どもを信頼することです。
- この子は、自分で整える力を持っている
- 時間があれば、必ず動き出す
- 今は、その途中なのだ
そう信じて待つことは、大人にとって簡単なことではありません。
けれど、信頼されていると感じた子どもは、安心して力を発揮し始めます。
ご家庭でも、今日からできることがあります。
- すぐに声をかける前に、10秒待ってみる
- 手を出す前に、子どもの動きを観察する
- できた・できないより、「取り組む過程」を大切にする
完璧でなくて大丈夫です。
大人も一緒に「待つ力」を育てていけばよいのです。
おわりに

子どもは、自分のペースで育つ力を持っています。
その力を引き出すのは、
急がせることでも、先回りすることでもありません。
環境を整え、時間を信頼し、静かに待つこと。
それは、子どもの成長を信じる大人のまなざしそのものです。
年末の忙しい時期だからこそ、どうぞ一度、立ち止まってみてください。
「待つ」という関わりが、子どもにも、大人にも、
少しやさしい時間をもたらしてくれるはずです。
体験会のご案内
バンビーニクレアーレの体験会では、お子さまの活動の様子をじっくり観察する時間を大切にしています。
参加された保護者の方からは、
- 普段はなかなか向き合って観察できないけれど、じっくり見ることができた
- こんなことができるんだ、こんなことに興味を持っているんだと新しい発見があった
といった感想を多くいただいています。
体験会を通して、お子さまの育つ力を感じながら、「待つ」という関わりを体感してみませんか。
